家づくりビギナーが陥りがちな失敗あるあるを集めた、ちょっと待った!【それ、やってはいけない!】見当違いの段取りとは?シリーズ。
今回は
とりあえず「間取り提案の一括請求」を依頼するとハンデになる??
というテーマです。
家づくりに関するネット広告には時折「無料で間取り提案を、各社から一斉に依頼できます!」という内容のものがあります。
一見、複数のハウスメーカーから手軽に、しかもわざわざ来場することもなく間取りが手に入るなんて効率的!・・・
と思われやすいのですが、プロ目線からすると「間取り提案の一括請求は、とんでもないトラップ」であると言わざるを得ません。。

その結論から述べると「優秀な営業マンが担当してくれる可能性が極めて低くなる」からです。
通常、間取りの作成には多大な労力も時間もコストもかかります。
・建築地の現地に行って建築地に問題がないかの確認。境界の有無、高低差、越境物、インフラ、周辺環境など
・市(区)役所の各窓口にて法令上の制限をチェック。都市計画、道路種別、道路幅員、開発行為、物件概要書の取得など
・水道局が役所とは別にある場合、そちらにも出向いて上下水道台帳の取得
・法務局に出向いて、登記簿謄本、公図、地積測量図の取得
・ここからが本番で、敷地情報をCADソフトに描画し、上記で集めた法令上の制限を誤りのないように入力し、いよいよ間取り作成にとりかかる
各ハウスメーカーも簡単に「間取作成無料!」と謳っているものの、実態として上記くらいの労力や書類取得のコストもかかっているわけです。完成までにどれだけ早くても半日はかかりますし、敷地が遠方にあったり間取り作成にマゴマゴしていると2~3日は平気でかかります。
にもかかわらず一括請求ですから、たとえば8社に一括請求するとしたら決定の確率は単純に12.5%
中には「家を建てる気は全くないけど、間取りだけ欲しい」というお客様もいらっしゃったり「せっかく作成して送ったのに開封もしないお客様」も中にはいらっしゃるので、決定の確率は一割を切るといって過言ではありません。

さて話はここからが本番で、「いったい誰がその案件を担当するか?」が大きな問題。
基本的に提案力も問題発見力も高い実力あるスター営業マンは決定率10%以下の案件をまず相手にしません。
すると提案力も問題発見力も低い新人営業マンに「どうせ成約率が低い案件なんだから、練習がてら間取りでも作ってみたら?」と振られることになり、しかもそのまま永久指名制となってしまう。。
こうなってしまうと言うに及ばず、あなたは家づくりに大きなハンデを負ってしまうことになります。
大切な我が家を建てるのに「成長を応援したいから新人営業マンに担当してほしい」というお客様はまずいません。「できれば経験値の高いベテラン営業マンが担当してほしい」と思うのは誰しも当たり前の願い。
にもかかわらず、ただ間取り作成一括請求に応募をしただけなのに、優秀な担当者が付く可能性が極めて低くなってしまう。
このような背景を十分理解した上で、間取り一括作成を有益に利用することを強くお勧め致します。