ネット上にあふれる膨大な土地情報から「たった1つの土地を決めなければならない」というのはなかなか難しいこと。
・この土地に何か問題はないのか?
・他にもっといい土地があるのではないか?
という疑問がつきまとうからです。
そこで「子供の学区だから」とか「ずっと住み慣れている街だから」という理由だけではなく、建築のプロなら土地のどのような点をチェックするのか?を知っておくだけであなたの土地選びが順調になるはず。
ということで今回からどのような視点で見ればよいかについて情報共有していきたいと思います。
例えば、私たちなら以下のような項目を見ます。
A:周辺価格相場とのズレ
B:法令上の制限、特に地区計画や風致地区などのローカルルール
C:境界ポイントが適切に入っているか
D:電気、ガス、水道のインフラ整備は。特に水道管の種類と口径は
E:隣地からの越境物はないか
F:隣地または道路との高低差状況はどうか
今回はB:法令上の制限、特に地区計画や風致地区などのローカルルール
についてご案内をします
いくら大きな金額を支払って敷地を購入したとしても、「好き勝手な建物を建てていい」ということはありません。閑静な住宅地のど真ん中に突如タワーマンションが建てられてしまったり、大規模工場が作られてしまったら周辺の人たちは困ってしまいますよね。
そのため広域的な見地から県知事や市長が都市計画を決定し、用途地域を市長が決定していくのが一般的な流れです。
用途地域とは大きく「住居系地域」「商業系地域」「工業系地域」の3種類へざっくり分けられ、さらに小さく13種類に分けられ、それぞれ建設してよい建物種類や高さ・日当たりなどの制限が決定されます。この辺りは多くのホームページにて説明があるので、ここではあまり述べません。
強いて挙げるなら
・「第〇種高度地区」という単語に該当したら、二階部分の間取りづくりがちょっと大変かも
・「第〇種低層住宅」という単語に該当したら、「敷地の東西が長いか、南北が長いかに着目」
くらい覚えておけば十分です。
それより私たちプロが注意を払っているのは
「地区計画」「風致地区」といったローカルルールの方です
例えばJR原宿駅の東口改札を出てすぐ、渋谷区神宮前一丁目周辺は商業地域なので本来なら危険性の高い工場以外ならだいたい何を建ててもOKなはず。
ところが表参道地区地区計画というローカルルールによって工場の用に供するものの一部や、倉庫業を営む倉庫、風俗営業店などが建築してはならないといった制限がかかっている。むやみやたらに何でも建てられるわけではありません。
これは注文住宅を建てる土地探しをしているあなたにとっても例外ではなく、地域によっては間取りの建築に大きな制限がかかってしまうこともあります。
ここ近年の個人的な体験では
東京都練馬区大泉学園町が本当に厳しかった!
パッと見で調べると
・都市計画補第53条
・中高層建築物等における紛争の予防と調整
が出てきたので「これはちょっと大変だな。。」と思っていたものの、
・練馬区風致地区条例に基づく許可申請等手続き
が出てきて「これはかなり大変だぞ・・」と覚悟させられたのですが、なんとその風致地区条例をよくよく読み込むと
・道路からの壁面後退距離 2.0メートル以上
・前記以外の壁面後退距離 1.5メートル以上
・建ぺい率 40パーセント以下
という、かなりとんでもない条件を危うく見落とすところだったのです・・・!!
とはいえお客様はお客様なりに間取りのご要望があるわけで、それはちゃんと実現してあげたい。
ということで振り返れば本当になが~~い時間、間取りの打ち合わせを繰り返していました。
これを読んでくださるあなたも、売買契約を交わしたあとに
「こんなの聴いてなかったよ!!」
とならないよう、どうか建築会社の人と一緒に土地を探していただくことを強くお勧めいたします。。
契約を交わした後では遅いですからね。。