ネット上にあふれる膨大な土地情報から「たった1つの土地を決めなければならない」というのはなかなか難しいこと。
・この土地に何か問題はないのか?
・他にもっといい土地があるのではないか?
という疑問がつきまとうからです。
そこで「子供の学区だから」とか「ずっと住み慣れている街だから」という理由だけではなく、建築のプロなら土地のどのような点をチェックするのか?を知っておくだけであなたの土地選びが順調になるはず。
ということで今回からどのような視点で見ればよいかについて情報共有していきたいと思います。
例えば、私たちなら以下のような項目を見ます。
A:周辺価格相場とのズレ
B:法令上の制限、特に地区計画や風致地区などのローカルルール
C:境界ポイントが適切に入っているか
D:電気、ガス、水道のインフラ整備は。特に水道管の種類と口径は
E:隣地からの越境物はないか
F:隣地または道路との高低差状況はどうか
今回はA:周辺価格相場とのズレについてお話します。
「土地価格の相場は固い」という話を聞いたことがおありでしょうか。
つまり土地の価格は値崩れすることはない、という意味です。
これは国税庁が発表している 【財産評価基準書、路線価図・評価倍率表】 が根拠となるでしょう。よろしければ上記リンクからあなたがお住いの地域で路線価も確認してみてください。
ものすごくざっくり言うと、この路線価×敷地面積でおおかた土地価格が算出されるため土地価格の相場は固いと言えるのです。
*奥行価格補正率の話はややこしいので省きます。
こういった明確な基準があるため「この土地を安く手放しても構わない、そこまで多額のお金はウチに必要ない」という人はそうそういないはずです。
にもかかわらず周辺相場より安い土地がインターネットポータルサイトにはしばしば掲載されていることがあるのは不思議ですね。
それはなぜか?簡単です、
「何か大きな問題があるから」に他なりません。
がけ条例に抵触するような高低差、公道から延々と引き込む必要のある上下水道菅などのように莫大な追加費用がかかる場合もあれば、「家屋で不審死があった」「一家が犯罪に巻き込まれた」などの心理的瑕疵の理由で割安になる場合もあります。
心理的瑕疵については不動産チラシに記載されていて把握しやすいのですが、インフラ整備については具体的な明記がほぼなく、また重要事項説明書にはかなり小さな字で書かれていることもあり個人の方での把握はかなり難しいでしょう。
こういったトラブルを発生させないためにご自分で猛勉強なさるのもよいですし、私たち建築のプロと相談しながら土地を探していくのが安全かもしれませんね。
くれぐれも
「相場より割安に見える物件にはとにかく注意!」
ということは覚えておいてください。